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秋、観光シーズンの京都に想う

2008.11.25 | 過去のブログしんじ

22日(土)、23日(日)、24日(祝月)は、3連休の人も多かったようで、天気の良かった23日は特に、京都市内は観光客でごった返していました。有名な観光地以外でも、交通の混雑がとてもひどかったようです。

その23日、私と妻は、妻の友達が横浜から嵯峨嵐山に観光に来るということでお供をしましたが、毎年の事ながら、車の渋滞に加えて嵐電・JRの込み具合は尋常ではなく、渡月橋から天龍寺にかけては、まるで渋谷や新宿かというくらいに、歩くのも不自由なほどの人だかりでした。昼食をとる店を探すのも大変でしたが、「美空ひばり記念館」内のレストランに辛うじて並んで席を確保しました。

それにしても、「京都」というのは、本当に超高級ブランドだと痛感しました。渡月橋付近の紅葉が見ごろということでもなかったですし、日本全国を探せば今見頃になっているところはたくさんあるはずなのに、「秋はやっぱり京都へ」という想いがあるんでしょう。

日本の伝統・文化の集積地、京都。時計の針が戻らない以上、日本で一番歴史・文化の重みを持つのは紛れも無く京都だと、日本人の大半がそう思っています。そして、そうした「実績」のうえに、民間事業者が京都のPRは勝手にどんどんやってくれるので、「京都ブランド」は今後も人々の憧れであり続けることは間違いないように思います。

であるならば、京都に来て頂く人々に、もっともっと京都の本当の「光」を「観」せる努力をなすべきだと考えます。

一つは、景観の問題です。京都へ来た外国人の中には、景観にがっかりする人も少なくないようです。確かに、欧州の歴史都市に比べれば、守られるべき景観遺産が守られていないという感じを私も抱きます。木の文化と石の文化という違いもあるでしょうが、意識の違いも大変多いと感じます。遅きに失した感は否めませんが、昨年京都市は、建物の高さのみならずデザインに踏み込んで景観の保全と創造を企図した「景観条例」を制定しました。古いものを守るのみならず、新しく京都ならでは町並みを50年、100年先を見こして形成していくとの前市長の意気込みは評価できるものだと思います。今後も、関係する各業界・団体と絶えず意見交換を続けることのみならず、一般市民の間に景観形成についての意識をしっかりと醸成していく必要があると思います。

二つ目は、交通の問題です。観光地の交通、特に自動車の渋滞は、住民・観光客にとって大変気分の悪いものです。歩く街中観光を進める京都市は、早急にパークアンドライドを含めて、観光シーズンの交通対策にしっかりと努めて欲しいものです。

最後に、府議会議員としての立場から、京都市内を訪れる方々に京都市以外の地域へも一足伸ばして頂きたい、その仕組みづくりをできるだけ早く確立したいと考えています。昨今、好みの多様化の中で、観光においても、どんな旅案内本にも載っている「誰もが知っているもの」より「誰も知らないローカルでマニアックなもの(歴史・文化・名産)」に対する需要が、少しずつ出てきているように思います。地域の方々にとっても、そうした情報を提供するために自分たちの地域の歴史・文化を今一度掘り起こしてみることは、その地域の誇りと自信の回復にも繋がると思います。観光客にも地域住民にも利益をもたらす、新たなローカルな観光の仕組みづくりに、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

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