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林業再考(右京区高雄にて)

2008.09.19 | 過去のブログしんじ

9月9日、インターンの学生3人と連れ立って、久しぶりに地元の高雄の山を訪れました。北山丸太づくりでは今は枝打ちをする時期ですが、専門的技術を持ち合わせない我々は、後日枝打ちをする予定の杉に巻きついたツルを取り払う作業をしました。下刈りをしていない急な斜面を足場に、時々トゲに刺されながらも、3時間ほど作業をしました。

その後、お世話になった山主さんと「急務とされる後継者育成には職人の所得保障が必要」「対人関係が苦手で自然と向き合う仕事をしたい人は少なくない。そういう雇用がもっと多く確保されることが必要」「森林の持つ多くの機能を都市住民全般が理解してくれれば、(京都府において)森林環境税の導入も問題はないはず」などの話をしました。

林業の低迷は長期化しています。その中で、間伐されない放置林の増加と職人の高齢化・減少が止まりません。職人の労働環境も大変厳しいものになっています。昨今では、森林組合による委託の仕事で日給8000円ということもあるそうです。京都府では、退職金制度や労災保険はありますが、他の社会保険等に恵まれているとは言えません。

林業は農業とは違い生産のサイクルが極めて長く、規格生産も難しいのです。工場のように短期間で違う製品をつくるラインに切り替え、時代の変化に対応するのは不可能です。

林業の喫緊の課題は、間伐の継続です。これは、地球規模で環境問題に注目が集まる中で、最優先すべき公共事業と言っても過言ではないのではないでしょうか。山で働く人達が、世間から感謝され、生活に不安を感じることなく過ごせる環境整備に全力を尽くさなければならない、そのためには今までにない大胆な施策の見直しが急務だと改めて痛感しました。

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