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彼岸に想う

2011.03.23 | 過去のブログしんじ

お彼岸ももうじき終わろうとしています。3月21日の春分の日を中日とする7日間に、あの世におられるご先祖様に感謝の気持ちを捧げる伝統的なしきたりは、非常に美しいものだと最近思うようになりました。子どもを授かったことが大きな理由だと思います。

この時期は、「今、ここで、目の前に見える物事に対して」気を取られ過ぎて、物質的で刹那的なものに偏りがちな現代の我々の生活を見つめなおす好機だと思います。戦後政治がおろそかにしてしまった、日本とは何か・日本人とは何かという根本的な問い、そこから導き出される我が国の存在意義、それを守る軍隊の在り方、エネルギー政策、それに付随する産業・経済政策、・・・詰まる所「人が生きるとはどういうことか」ということを、これからの政治は本気になって議論する必要があります。その際、先祖供養を育んだ世界観に見られる価値観、つまり「今に堆積している過去・ご先祖様、(空間的にも・時間的にも)人知を超えたご縁、目に見えないものや大自然=神々」への畏敬の念などが反映されなければならないと思います。

この度の彼岸は、東日本大震災の直後ということもあって、我が国にとって本当に大きな意味のある7日間だと思います。自然がもたらした大災害、そこに垣間見た様々な根本的な問い、それに直面して感じた素直な心に従い、死者を弔う祈りが広がることを願っています。

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