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学生に伝えたかったこと

2010.12.13 | 過去のブログしんじ

1週間前になりますが、インターンを受け入れる政治家と大学生を斡旋する.JP(ドットジェーピー)という学生団体が主催した交流会があり、その様子が12月6日の朝日新聞(京都版)の記事になり、私の写真がデカデカと載りました。

「インターンで何が学べますか?」という学生の質問に対して、私のコメントとして「口を開けて待っているだけではダメだ。学外でも勉強会を開くなど積極的に動かないといけない」という旨の発言が紹介されていましたが、当日私がしつこく学生に訴えていたのは、実はそういうことではありませんでした。

.JPは「日本の指導者育成を目指す」ことが設立の趣旨であり、そのための学びの機会として、大学が休みになる夏・冬の2カ月間、インターンを受け入れるよう各級議員に要請しています。しかし、私は、政治の世界(だけではないでしょうが)は師弟関係において長い期間をかけて勉強するものだと思っています(私自身、父のもとでの勉強は短かったですが、修行の師弟関係はもう10年近くになります)ので、設立の趣旨とシステムには矛盾があると、いつも.JPの学生に意見しています。指導者育成なら「長期間の本気の受け入れ」をお願いすべきだし、2か月の経験なら「指導者育成」は言うべきではないと考えています。ここで、いい加減であれば、何となく茶番になってしまいます。

私は、今まで20人以上学生を受け入れてきましたが、まずそのことを学生に伝えます。そして、「2か月では政治に関して何ほどのことも分からない。政治に関心があるのなら、本気でその後も続けるべきだし、2か月で終わるというなら、その成果としては、いかに学生が保護された環境で甘えた生活をしているかを自覚し、今後の学生生活を問題意識をもって過ごすためのきっかけになり得るということぐらいだ」と話しています。

私は、インターンを受け入れるからには、縁がある学生とは本気で向き合いたいし、人間関係を結ぶにあたっては、その根本の部分をしっかりと確認しておかないといけないと思っています。こうしたことは、しかし学生にはなかなか伝わりません。それが現実ですが、私は、人間の成長というのはそういうものだと、最近特に痛感するのです。先日書いた「バレンシア・リトル・レモン」のブログも、実はそういう思いが背景にありました。

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