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今年こそ、「伝統が未来を拓く」年に

2009.01.19 | 過去のブログしんじ

地方議員にとって、毎年1月は様々な業界・団体などの新年会が続く日々です。1日に3つ4つの会に出席することも珍しくありません。それだけ多くの会に出席していますが、今年はどこの会でも「100年に1度と言われる大不況だが、頑張ろう!」という挨拶がなされます。しかし、その「頑張る」は「何とか歯を食いしばって耐える」と言った程度の意味であることが多く、「何を目指してにどう頑張ればいいのか」というところに踏み込んだ言葉はあまり聞かれません。

では、「どう頑張るのか?」ということですが、私はそれぞれが原点に立ち返ることだと思います。そもそも私は、「今こそ、伝統が未来を拓く!」という言葉を掲げ初めての選挙を戦ったわけで、常々「原点回帰」を訴えているのですが、今のような混迷を極めた状況でこそそれが大事だと確信しています。人が自らを省みて自分に相応しい道を選び取るように、文化圏としての社会も、先人が長い年月の中で幸せに暮らすために蓄積した知恵や工夫=伝統に学び、未来の姿を描くことが、自然で相応しいと考えるからです。

現在の日本は、そうした根本的な自己反省をすべき「浮き草」のような有様と言えます。経済は、単なる不況に留まらず「市場原理主義はどこまで可能なのか?政府は、国民生活を守るためにどこまで介入すべきか」が問われ、新たな経済秩序が求められている状況と言えます。政治もそれと関連して、日本の国づくりの根本的な展望が問われている状況です。また、昨今のおぞましい事件などに象徴される社会規範の乱れは、新たな社会秩序、規範意識、価値基準などを求めている証拠です。日本全体が、自分たちの気質と照らし合わせて「本当にこれで幸せなのか」が問われる状況なのです。

このように今の日本は不況の克服だけが課題ではありません。社会の総点検こそが、今考えるべきことなのです。年頭に記したことを繰り返しますが、今年はしっかりと大義を自覚して、着実に歩みを進めるべき己丑(つちのとうし)の年だと思います。「苦しいときほど原点に立ち返る」ことの重要性を多くの方が自覚できる1年になればと願ってやみません。

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