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『政治を語る』関西広域連合について

2008.11.30 | 過去のブログしんじ

京都府議会では、議会活動を広く府民に知っていただくために、7つの常任委員会がそれぞれ年に1回、TV番組として放映されています(KBS京都)。その時は、委員(府議会議員)が理事者(府庁職員)に質問するという通常の委員会の形式とは異なり、委員同士の議論となります。

去る27日、私が所属している総務常任委員会の収録がありました。テーマは、「関西広域連合」についてです。

現在、明治時代以来の中央集権的な官僚機構が制度疲労に陥り、また東京一極集中を引き起こしているとして、多極分散型の国土の形成が喫緊の課題とされています。そのための手段である「道州制」の議論が、国でにわかに盛んになってきていますが、地方としては、市町村合併の反省から上からの押し付けの「道州制」(地方分権)ではなく、地方が主体的に提案する地方分権が必要だとの認識が広がっています。

その中で、関西では、国からの権限委譲をも要求できる「関西広域連合」を設立しようという議論が、都道府県・政令市・経済団体が構成している「関西広域機構」で行われています。例えば「防災・観光・医療」などの広域的な行政課題に対応するためにそれを設立して、実績を重ねることで国からの権限委譲も進めようという試みです。平成21年度のできるだけ早い段階で設立をとの取り決めがなされました。もちろん、そのためには、それぞれが議会で承認を得る必要がありますが。

私は、東京一極集中の是正には大いに賛成ではありますが、関西広域連合の拙速な設立には慎重な姿勢を発言をしました。そもそも、関西広域機構に参加する団体の間でも広域連合の設立のための想いが異なります。そのまま出発すれば、途中で身動きが取れなくなる懸念があります。しかも現在早期に取り組むべきとされる広域的な課題は、一部事務組合などの組織で事足りるのです。

さらに、特に大事だと思うことは、関西広域連合が将来の道州制を踏まえたものであるならば、それは将来の我々の故郷を創る第一歩になるわけで、そうであれば、「関西とはどういうもので、今後故郷をどう築いていこうか」というアイデンティティに関わる議論をしっかりとなさねばならないと考えますが、そうした議論は一切なされている形跡がありません。それでは、全く不十分といわざるを得ません。

今後の我々の故郷の形を作っていく議論だからこそ、拙速を避けじっくり煮詰めていく必要があると思います。

放映は明日12月1日(月)の9:30~10:30
2週間ほど後からは、京都府のHPでも見られる予定です。皆さん、是非ご覧ください。

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